2008年05月31日

『ルワンダの涙』映画レビュー

ルワンダの涙『ルワンダの涙』を観ました。

ツチ族とフツ族による紛争の中、生きる人々、救う人々、救いたくても救えない人々を描いた作品です。
ブラッド・ダイヤモンド』と並んでアフリカの現状を知るきっかけとなる素晴らしい作品です。

映画としての出来よりも、取り上げている内容に意味がある作品です。
映画としては『ブラッド・ダイヤモンド』の方が優れていると思いますが、取り上げる内容はどちらもアフリカの過酷な現状を伝えようとするもので、その点ではどちらも優れた作品です。

ルワンダの内戦はフツ族に対してツチ族が反政府組織を結成して、お互いに殺戮を繰り返していました。
現在ではこの内戦は収束しています。


ツチ族とフツ族の争いの中、虐殺を免れるための空間は国連平和維持軍が作ったシェルターの中しかありません。

外に出れば、待ち構える人々に殺されてしまう。

そんなシェルターの中にかくまわれている人々がいる一方で、国連平和維持軍が要請していたフランス軍の輸送団がシェルターに現れる。
トラックは2台、とても全員を救出することはできません。

フランス軍の言い分は、シェルター内にいるヨーロッパ人だけを先に救出するというもの。
ヨーロッパ人は我先にトラックに乗ってフランス軍と共に平和な国へと帰っていってしまう。

そんな中でも、ルワンダで30年来布教を続けてきた神父とその教え子の2人はシェルターに残ってルワンダの人々のために尽くすと決める。

国連平和維持軍がいる限り、シェルターと二人の安全は保障されている。
だが、平和維持軍は先制攻撃をすることができない立場にあり、シェルター外に殺戮集団が待ち構えていようとも、彼らに発砲することは許されない。

どうすることもできない状態で、とうとう国連安全保障理事会が平和維持軍の撤退を命じてしまう。
ルワンダの内戦は収束に向かっているとの見解の上での命令だが、現状ではシェルターを放棄してしまえば殺戮が始まるのは火を見るよりも明らか。

だが、軍人である平和維持軍はそれに従うしかない。
已む無く撤退を決意する平和維持軍は2人の白人にも帰国を勧める。
まだ若い教え子の方は帰国するが、神父はルワンダに残ると決める。

自分はアフリカと共にあり、今ここにいる人々は自分を必要としている。
神の教えを伝えるものとして、彼らを裏切るわけには行かない。

最後に子供達に洗礼を与える時間をすごし、平和維持軍は神父と人々を置いて去る。
そして、殺戮が始まるのだが、神父は子供達だけでも助けようとトラックに子供達を隠し、丸腰のトラックを運転してシェルターを離れる。

シェルターでは殺戮が始まる。

神父のトラックも、フツ族の関門で停められてしまう。
神父は交渉空しく殺されてしまう。
しかし、子供達は危険を察知して、夜の闇に逃げて助かった。


こんな殺戮が100日間も続いたルワンダでは国民の10%が虐殺により命を落したといわれています。
具体的な人数だと約80万人です。

ただ、遊牧民か農耕民かの違いしかなかったフツ族とツチ族。
彼らの対立を深めたのは欧米の植民地政策です。
統治を簡単にするために、片方を正義、片方を悪と決め付ける。
それによって、支配する側、支配される側が明確になり宗主国の負担が少なくなる。

ただそれだけの目的で、結果的に80万人もの人々がわけもなく殺されてしまう。
中には親の前で殺される子供もいたでしょうし、子供の前で殺される親もいたでしょう。

人と人が殺しあう国、地域は今でもまだ存在しています。
理由がなんであれ、殺戮を止める術はあるはずです。

日本は、中国や朝鮮半島、東南アジア、太平洋諸国で多くの人々を殺してしまった国です。
今、アフリカやアジアの国のために何かできることがあったら、惜しまずに協力するべきです。

四川省地震、ミャンマーのサイクロンへの援助は日本だからこそできる援助です。
日本みたいに地震と台風の被害がこれほど少ない国はないでしょう。
日本には技術とノウハウがある。
それを他国のために使うべき立場にいます。

でも、それを拒む国がある。
中国は日本への対立心とプライドで、援助活動の受け入れを延ばしてきました。
救える命も救えなくなってしまうほどのタイムラグを置いての受け入れでした。

ミャンマーも、パン国連事務総長の説得まではどんな援助も受け入れない姿勢を貫いていました。

大事なのは、国としての体面なのか、国民の生命なのか。

これから、地球の温暖化でサイクロンはより強力になるでしょうし、地震は永久になくなりません。
第3世界の国々は国民のために何かできるようにならなければいけない。
先進国はそれを援助しなければいけない。

第3世界で唯一自力で先進国に成長した日本は、先頭に立ってそういう国々を支援していかなければいけないのに、いつも世界の出方を伺っているだけ。
するべきことは、誰の目も気にせずに自分の信念を吊らぬいてやるべきです。

軍隊を持たない平和主義の国として日本は他国を救うための存在にならなければいけないと思います。
ルワンダの涙
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発売日:2007-09-19
おすすめ度:5.0
posted by ぺろ at 00:09| Comment(0) | TrackBack(3) | 映画・映像作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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