ディカプリオ主演の『ブラッド・ダイヤモンド』を観ました。この邦題は今時ダイ「ヤ」モンドなんですね、ずっとダイアモンドだと思ってました。
国連が最大の平和維持軍(PKF)を派遣するほどの国際問題である、紛争ダイアモンドを巡る話。
RUFという反政府軍と政府軍が内戦を繰り広げていたシエラレオネを主な舞台とした作品です。
現在では、シエラレオネの内戦は和解が成立してPKFによる平和への復興が推進されていますが、この映画の舞台となる時期は内戦の待っただ中です。
ダイアを巡る「4つのC」に、5つ目「Conflict(紛争)」が実は隠されているというのが、この映画のテーマ。
紛争ダイアモンドとは、反政府組織によって採掘され取引された、ダイアモンド以外を含む宝石全般のことです。
その取引によって生まれた利益が武器購入に充てられて内戦を長期化する原因になっていることから、世界的に問題視されていました。
今では、キンバリー・プロセスという認証方式によって紛争ダイアモンドは市場から排除される動きになっていますが、未だ出回っているそうです。
主人公はディカプリオ演じるダニー・アーチャー、ジンバブエ出身で南アフリカ軍に従軍していた白人のアフリカ人。
今はシエラレオネで採れたダイアモンドの密輸で生計を立てている。
もう1人の主人公は、シエラレオネの黒人漁師ソロモン・バンディー。
頭のいい息子がいつか医者になると夢見て平和に生活していた彼は、RUFの襲撃によって奴隷となり家族と離れ離れでダイヤモンドの採掘所で強制労働させられる。
強制労働の最中、大きなピンクダイヤを見つけ、それを盗んで見つからないように埋めることで、この物語が動き出します。
埋めたところをRUFの監視員に見つかり殺されそうになりますが、政府軍が偶然そこを襲撃したことで殺されずに収監されるに留まる。
そこで密輸で捕まっていたダニーが、ソロモンがピンクダイヤを隠したことを知り、友人のつてで自分と彼を釈放させる。
それから、彼らのダイヤを求める戦いが始まるわけです。
この映画で問題となっている紛争ダイヤを巡る問題は単純ではなく、現在世界に存在する問題のうち残虐なものがたくさん絡んでいます。
内戦、武器の密輸、ジェノサイド(集団虐殺)、強制労働、少年兵。
全てが反政府組織RUFが原因であれば、シエラレオネの紛争は単純な反乱でしかないのですが、問題は政府側までこれに関与していること。
文字通り、血で血を洗う戦いを続けていたのが当時のシエラレオネ。
RUFが虐殺している一方、政府軍も虐殺をしていて、「正義」の立場にたつ人は自警団を結成してどちらも敵として自分たちを守ることが必要。
それができない人たちは、両軍の襲撃によって命を落すか、偶然生き残るか、どちらかしかない。
映画では、RUF側にしか少年兵がいないように思えますが、事実は政府軍にも少年兵がいたらしく、完全に真実を述べた映画とは言えないような気もしますが、洗脳された少年兵による虐殺も存在していたことは事実。
主人公の信条「TIA (This is Africa)」という一言が、この状況を生き抜く術だったんでしょう。
悲惨な状況にあっても、全て受け入れて逆に利用してやるつもりでいないと生きることができない世界。
日本は治安が悪くなったと言いますが、そんなの戯言です。
村が丸ごと虐殺される国があるのに、治安が悪いなんて言ってられないですよ。
世界で5番目に平和な国と言われると、勤勉な日本人ならあと4カ国あるから自分たちの国はまだ平和じゃないと思ってしまいますが、あと194カ国も平和じゃない国があると思うと、世界がうらやむほどの治安です。
つらつらと色々書いてきましたが、この映画は素晴らしい映画です。
アフリカの現状「This is Africa」を明確に印象付けて、正しい問題意識を芽生えさせてくれる。
平和な国の人たちは「紛争(の報道)に飽きている」と言う台詞の通り聞き飽きて全然気にもしなかったニュースも、それが伝えようとする残虐さや悲惨さを理解すると無視できない問題になります。
これがアフリカ、これが今の世界なんだと思うと、平和に生きていることが申し訳なくなってくる。
日本の報道は、視聴者への配慮で穏和に温和に報道していこうとする傾向にありますけど、それで真実を伝えられるんでしょうか。
日本は年金問題とか道路特定財源だとか、金がないように思えますけど、世界的にみたら裕福な国です。
その国に生きる人間として、世界の紛争を解決する手段に直接関われないまでも何らかの支援をしていく必要がある。
日本国民がそういう意識を持てるように、報道はもっと真実を在りのまま伝えるべきだと思います。
アフリカへのODAを倍増するという福田総理の決断は、日本国内だけを見たら無駄な出費に思えますけど、世界を見たら日本以外にそれをできる国はないんですよ。
アフリカへのODAは、日本人であると同時に地球人として日本人が採るべき選択の1つだと思います。
消費税が5%の先進国って、他にないんですよ。
カナダは自然保護に、スウェーデンは社会保障に使うために日本の何倍も消費税がかけられている。
こんなに裕福な国にいるのに、年間何万円かの出費をケチっているべきではないと思います。
日本が消費税を増やしたら、国内で使うお金が増えるわけですから、今の通りに世界の平和を実現するための資金を提供することができるんですよ。
日本は先進国の中でも異常なくらい貧しい国から尊敬を受ける国です。
それは第3世界で唯一自力で先進国に成長した国であり、第3世界のみならず国連を代表する世界のために一番の支援をしているからです。
アメリカみたいに武器で問題を解決することがない日本は、世界のためにもっと尽くしていくべきだと思います。
とにかく、この映画は素晴らしい。
啓蒙的な側面はもちろん、映画作品としても素晴らしい作品です。
ディカプリオは本当に優秀な俳優になりましたね。
歴史に名を残す名優になることは間違いないでしょう。
その時、この作品は彼が出演した社会派作品の代表作になるんじゃないでしょうか。
それくらいの作品です。


















こういう映画があると知らない世界がわかっていいです。
トラバさせていただきました〜。
そうですよね、自分が生きている世界なのに自分が知らない問題がたくさんあるのを知りますよね。
同じ世界に生きてるのに「何もしてあげられない、何もしていない自分」を痛感します。