西洋美術史のレポートを書くために岩波書店の世界の美術シリーズ『エジプト美術』を読んでいます。過去にこのシリーズでは『印象派』と『レンブラント』『アール・ヌーヴォー』を読んだことがあって、表現技法や表現の趣向の変化だけじゃなくその歴史的背景とか思想的背景にまで詳しく触れていて、とても理解しやすかったので古代美術史のレポートでもこのシリーズの力を借りることにしました。
エジプトの美術って巨大な石造の神殿とか、規則的に描かれた図形的な人間とか、そういう無機的なイメージしかなくて、古代エジプトの人たちは造形的な挑戦の情熱を持っていない人たちだと勝手に思っていました。
でも、実際にはそういう幾何学的な形態には、死者の魂の永遠性を願う宗教的な意味があり、似ているようで違うところに造形への情熱が垣間見えたり、意外とスペクタクルな世界だということに気付きました。
古代エジプトの歴史って、高校でもあんまり習いませんけど、この本では美術の歴史的背景にまで触れているので、エジプトを取り巻くどういう歴史的変化がエジプト美術を形作り、そして変化させていったのかまで詳しくわかります。
ハワード・カーターが見つけたツタンカーメンの埋葬品以外にも、エジプトの美術には魅力的な作品がたくさんあって、エジプトに行きたくなります。
アブシンベル大神殿とか、ギザの三大ピラミッドは一生のうちに必ず行きたいと思います。
エジプトの自然的形態を記号化することで単純な形態で表現する方法って、日本の美術に通じるものがありますよね。
家紋とか、反物の模様とか、そういうのって自然の形態を単純化して、でもそれと分かるような記号みたいな状態にしてあります。
自然と向き合って生きる民族はそういう芸術に秀でるのかもしれませんね。
古代の美術は自然を見る目が真直ぐで、ものを表現するということに本来的に人間がどういう情熱を持っているのかを思い出させてくれます。
あと、現代人が忘れてしまった自然への畏怖も。
生きるために雨乞いとか、豊穣を祈願したり、病気の治癒を願ったり。
そういうことを図像化して描くことは、現代人は絶対にしませんからね。
なんていうか、人間とは何かということを古代美術から少し学びました。

















